赤レンガ建物について【富山県高岡市】

on 2022/06/04




こんにちは。熊木義城です。

今回は、高岡市の
「赤レンガ建物」
についてお伝えしていきます。






皆様は、赤レンガ建物と聞いて、
どんな建物を思い浮かべますか?


赤レンガつくりで日本一有名なのは、
横浜の赤レンガ倉庫でしょうか。
こと高岡市においては、
山町筋の「旧・富山銀行」です。




<画像は高岡市観光ポータルサイト「たかおか道しるべ」よりお借りしました>



大正時代に建てられた建造物で、
地元の方からは
赤レンガの銀行として
愛されてきた歴史があります。


もちろん私も、子どもの頃から
銀行として知っていたのですが、
この建物について気になるようになったのは、
選挙への出馬を考え始めたころです。




赤レンガ建物は、
富山銀行が高岡駅前に移ることに合わせて、
高岡市に無償譲渡されることになったという
経緯があります。


そして、
高岡市の「予算の概要」という資料の中に
「赤レンガ建物利活用調査事業」という内容で
数千万円の予算がついていました。







当時、
どんな事業をしているんだろうか?
と不思議に思いました。


そこで、前回の3月議会では、

「これまでの予算が
 どう活用されたのか?」

そして、

「今後はどのように
 建物を活用する方針なのか?」

ということを軸に、質問致しました。

Q1 赤レンガ建物(旧・富山銀行)を取得するに至った経緯は。

A 赤レンガ建物は、重要伝統的建造物群保存地区である山町筋の街並みのランドマーク的存在であり、地域の賑わいを抄出する核の一つとして期待できるため、まちづくりへの有効活用に向けて譲りうけることになった。



Q2 赤レンガ建物利活用調査事業として令和元年~令和3年度まで、6856万円の予算が使われているが、これまで行われた調査の結果は。

A これまでは、耐震性を調査する「耐震診断業務」、また消防設備の機能復旧工事、今後の活用方法の可能性を探る「保存活用計画の策定業務」を行ってきた。 調査の結果、建物の耐震強度が不足することがわかったほか、建物の外観だけではなく、天井部をはじめ、内部も文化財的価値が高いことがわかった。



Q3 令和4年度に実施予定のサウンディング調査の目的、期待される効果は。
(※補足 サウンディング調査・・市有地などの有効活用の検討にあたって、民間事業者から広く意見、提案を求め、対話を通じて市場性等を把握する調査であり、高岡市では令和4年度の予算でこの調査を実施する方針を示していました。)


A 調査では、整備や運営への民間企業の参入可能性を含め、参入意欲を高める事業スキーム、実現可能性の高い用途、機能のあり方を整理したい。



Q4 利活用のため、耐震化にかかる見込みの予算は。

A 耐震補強計画は、保存活用計画と同じく、策定作業の最終段階にあるので、内容を精査している。取りまとめ次第、報告させていただきたい。



Q5 赤レンガ建物は公共施設として高岡市が所有し続けるのか。

A 所在のあり方についても、検討のなかであわせて議論していく。



Q6 今後の利活用の方針は。

A 赤レンガ建物は、大正時代に建築された県内唯一の本格的洋風建築で、「辰野式」と称される近代銀行建築の外観意匠を取り入れた文化財的価値を有する建築物だ。これまでも民間からのアイデアをヒアリングしたり、建築に関する有識者から意見聴取を行ってきた。地元住民をはじめ、今後も多くの意見を伺い、広く市民から愛される施設になるように方針を定めたい。



以上が、市当局とのやり取りです。



その後、動きがあったのは、
Q4で伺った
「耐震補強のためにいくらかかるのか?」

という内容。

あくまでまだ予想の段階ですが、
3.5~4億円のパターン、
4.5億~5億のパターンが示されました。



今回明らかになった
耐震補強の予算について、

私としては、
非常に大きい事業費だととらえており、
これまでの調査にかけてきたお金も考えれば
より大きな事業になると考えます。



ネックになるのは今後もお金であり、
高岡市も何とか
国や県の補助メニューの活用、
民間企業との連携で
少しでも市の持ち出しを少なく
事業を実施したいと考えているようですが、

この事業費については、
今後もしっかりと
市議会が注視しなければならないと考えます。



もちろん、市民の皆様の中には、
「なんでそんな事業に
 大きな税金をかけるのか?!」

お怒りの声もいただいております。

しかし、
「文化財的価値が高い建物を残し、
 夢のある場所にしたい」

と考えておられる方がいらっしゃることも事実です。



高岡市もなんとか
この赤レンガ建物を保存し、
活力を生む施設にする
という方向に
舵をきっておりますので、

私はこの考えを尊重しつつ、
「高岡市として
 どう費用を抑えながら事業を行うか」

というスタンスで、
今後の動向を見守ってまいります。